魔法の言葉 | |
あなたの言葉は魔法の言葉。
私はあなたの言葉一つでくるくると舞う。 あなたは料理が上手。 いつも作ってくれる料理は私の心とお腹を満たしてくれる。 心はいつもふんわりと温かくなる。 「おいしくなりますように」 そんなおかしな言葉もあなたが鍋に呟けばたちまち魔法となって飛び切りの料理が出来る。 例えば私が作っていても、 「なんかイマイチなの〜」 泣きつくと味見をして塩を一つまみぱらぱらと入れてやっぱり魔法の言葉を呟く。 するとたちまちおいしい料理に変わってしまう。 あなたの言葉は魔法の言葉。 あなたの言葉は魔法の言葉。 私はあなたの言葉一つでくるくると舞う。 あなたは植物を育てるのがとても上手。 あなたが育てる植物はいつも生き生きとして今にも歌いだしそう。 植物の優しいさざめきが私の心を朗らかにしてくれる。 「大きくなりますように」 そんなべたな言葉もあなたが植物に囁けばみんな見事な花をつけ、たわわに実を実らせる。 嬉しそうに、歌うように。 例えば私が育てて枯れそうな植物も、 「どうしよう、枯れちゃうっ!」 暗い顔であなたにすがると、ふんわりと笑ってあなたは手当てをしてくれる。 「水をあげすぎよ、根は腐っていないから、ここから切って少し休ませてあげましょう」 植物の声を聞くかのように穏やかに言って手当てをしてくれる。 「元気になりますように」 植物はみるみる元気になって大きく立派になって歌いだす。 あなたの言葉は魔法の言葉。 私はあなたの言葉一つでくるくると舞う。 あなたは私を愛するのがとても上手。 私を抱きしめてくれるだけで、その耳に言葉を寄せてくれるだけで私はバターのように溶けてなくなってしまいそうになる。 あなたの言葉と温かさに私の全てが蕩けてしまう。 「愛しているわ」 あなたの柔らかな唇が甘い言葉を紡ぐだけで私の心は天にも昇ってしまう。 言葉が優しい魔法となって私を心地良い言葉の鎖でがんじがらめにしてくれる。 あなたに魔法をかけられて私はますます熱を上げる。 あなたなしでは息も出来ないほどに。 あなたなしでは夜も明けないほどに。 あなたの言葉は魔法の言葉。 私はあなたの言葉一つでくるくると舞う。 |