【 大好きな気持ちはいつも変わらない 】
■大好きな気持ちはいつも変わらない
【 大切な気持ちはいつも変わらない 】
■前編 ■中編 ■後編
【 愛している気持ちはいつも変わらない 】
■ 前編 ■ 後編
【 湖のほとりで君の夢を見る 】
■ 湖のほとりで君の夢を見る
【 母の肖像 】
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母の肖像 3
母の真実を知って、私は戸惑いながら母に対してわずかな嫌悪と憎悪を覚えるとともに、父と自分に酷く同情した。嫌悪と憎悪を抱きつつも私が頼れるのはたとえ離れていても母しかなく、そしてそれ以上に私は母をずっとずっと深く愛していた。
血の絆と言うものは、親子の絆と言うものは、なんと強く深いものなのだろう。特に母親の胎内から生まれ出て母親と蜜月を過ごした母子と言うものは。
私を一番に好いてはくれない母を恨みつつ、それでもやはり私は母の娘で、誰よりも母の幸せを願うたった一人の血縁者だった。
小さな私は自分の気持ちを整理しきれずに母に反抗的な態度ばかりとっていたけれど、今なら心から言えると思う。
「お母さん、良かったね。ずっと幸せでいてね」
陳腐な言葉だけれど、世界中のすべての人が二人を非難したとしても、私だけは味方だから。
私は母とはまったく別な道を歩んでいるけれども、胸を張って母の娘で良かったと、母にそう告げたい。
生まれてきてよかった。
あなたの娘で良かった。
「お母さん、ありがとう」
END